猫にマイクロチップを装着するメリットと費用について
猫を飼う上で、迷子対策はとても大切なポイントです。その中でも、特に注目されているのがマイクロチップの装着です。猫にマイクロチップを入れることで迷子になったときの保護率を高めることができ、飼い主としての安心感も得られます。ただし、気になるのはその費用や具体的な手続き、さらに猫への影響です。本記事では、猫のマイクロチップにかかる費用や装着の流れ、メリット・デメリットを詳しく解説します。
猫にマイクロチップを装着する理由
猫は室内飼いが多いものの、思いがけない隙間から外に出てしまうことがあります。好奇心旺盛な猫ほど、ベランダや窓から脱走する危険性が高まります。また、災害時や不注意で迷子になるリスクもゼロではありません。マイクロチップを装着しておけば、猫が保護された際にチップ内の情報から飼い主が特定され、スムーズに連絡が取れる仕組みになっています。
マイクロチップの仕組みと特徴
マイクロチップは、米粒ほどの大きさの電子デバイスで、専用の注射器を使って猫の皮膚の下(通常は首の後ろ)に埋め込まれます。このチップには15桁のID番号が記録されており、動物病院や保健所に設置されているスキャナーで読み取ることができます。ID番号はデータベースに登録されており、飼い主の名前や連絡先、猫の情報などが紐付けられます。
マイクロチップの装着は一度行えば半永久的に使用可能で、定期的なメンテナンスや交換の必要はありません。
マイクロチップ装着にかかる費用
マイクロチップを猫に装着する際の費用は、地域や動物病院によって異なりますが、一般的には以下のような項目に分けられます。
- マイクロチップ本体の費用
マイクロチップそのものの価格は、約2,000円〜4,000円程度です。 - 装着手数料
動物病院での装着費用は、約3,000円〜5,000円が相場です。この費用には、注射器の使用料や処置料が含まれます。 - 登録費用
マイクロチップをデータベースに登録する際に、約1,000円〜2,000円程度の費用がかかることが一般的です。
これらを合計すると、マイクロチップの装着にかかるトータルの費用は6,000円〜10,000円程度になると考えておくと良いでしょう。また、自治体や動物保護団体が実施している割引キャンペーンや無料装着イベントを利用すれば、さらに費用を抑えられる場合があります。
装着の流れと所要時間
マイクロチップの装着は、動物病院で行います。予約をして訪問し、獣医師の手によって装着が行われます。一般的な流れは以下の通りです。
- 健康チェック
装着前に猫の体調を確認します。健康状態が悪い場合、装着が延期されることもあります。 - マイクロチップの埋め込み
専用の注射器で、猫の首の後ろの皮膚の下にマイクロチップを埋め込みます。この処置は数分程度で完了し、麻酔の必要はありません。痛みは予防接種程度とされています。 - 動作確認
装着後、スキャナーを使ってマイクロチップが正しく読み取れるか確認します。 - 登録手続き
マイクロチップのID番号と飼い主情報をデータベースに登録します。登録後、飼い主に通知が送られることが多いです。
処置そのものは短時間で済み、猫への負担も軽いと言われています。
マイクロチップ装着のメリット
- 迷子対策の効果
マイクロチップを装着しておけば、迷子になった猫が保護された際に飼い主と再会できる可能性が高まります。首輪や迷子札は外れてしまうことがありますが、マイクロチップは体内に埋め込まれるため紛失の心配がありません。 - 災害時の安心感
地震や台風などの災害時に猫が逃げ出してしまった場合でも、マイクロチップのおかげで早期に発見される可能性があります。 - 海外渡航や動物登録に必要
国際的な基準に基づくマイクロチップは、海外旅行や移住の際に必要になることがあります。また、一部の自治体では動物登録の一環としてマイクロチップの装着が義務化されている場合もあります。
注意すべきポイント
- 登録情報の更新
マイクロチップの効果を最大限に活かすためには、住所や電話番号などの登録情報を常に最新に保つ必要があります。引っ越しや電話番号の変更時には速やかにデータベースを更新しましょう。 - 装着後のチェック
装着後、稀にマイクロチップが読み取れない不具合が発生することがあります。定期的に動物病院などでスキャンを依頼し、正常に動作しているか確認するのがおすすめです。 - 装着が義務化されている地域もある
2022年6月より、日本では犬や猫の繁殖業者に対し、マイクロチップ装着が義務化されました。ペットショップやブリーダーから迎えた場合はすでに装着済みであることが多いですが、確認を忘れないようにしましょう。 - ストレスのケア
猫によっては装着後に違和感を覚える場合もあるため、数日間は猫の行動を観察し、異変がないか確認してください。
マイクロチップ装着のデメリット
- 費用がかかる
マイクロチップの装着には初期費用がかかります。特に複数の猫を飼っている場合は、それぞれに費用が必要です。 - 読み取り機が必要
マイクロチップを読み取るには専用のスキャナーが必要です。自宅で確認することはできないため、動物病院や保健所に頼ることになります。 - 100%の安全ではない
マイクロチップは猫の体内に埋め込まれるため、極めて稀ですがアレルギー反応や炎症が起こるリスクがあります。
まとめ
猫にマイクロチップを装着することは、迷子や災害などの予期せぬ事態に備える最も有効な方法の一つです。費用は6,000円〜10,000円程度と決して安くはありませんが、愛猫の安全を守るための投資として考えれば価値があります。装着の際は信頼できる動物病院で行い、登録情報を常に更新しておくことで、安心して猫との生活を楽しむことができます。マイクロチップは猫と飼い主をつなぐ命綱として、大切な役割を果たしてくれるでしょう。