犬の里親になるには?譲渡の流れと迎え入れの準備
犬を飼いたいと考えている人の中には、ペットショップでの購入ではなく、「里親」として保護犬を迎え入れたいと思う人も増えています。近年では、殺処分問題や動物福祉への関心が高まり、保護犬を引き取るという選択肢が注目されています。
しかし、犬の里親になるには一定の条件や手続きがあり、準備が必要です。本記事では、犬の里親制度の仕組みや譲渡の流れ、迎え入れる際のポイントについて詳しく解説します。
1. 犬の里親制度とは?
犬の里親制度とは、保護施設や動物愛護団体にいる犬を、新しい飼い主(里親)として迎え入れる仕組みです。
保護犬が里親を探す理由
保護犬が施設や団体にいる背景には、さまざまな理由があります。
- 飼い主の事情(高齢、病気、引っ越し、経済的な理由など)
- 多頭飼育崩壊(飼い主が犬を増やしすぎて世話ができなくなったケース)
- ブリーダーの放棄(売れ残った犬や繁殖を引退した犬)
- 迷子や遺棄(飼い主が見つからず、保健所や動物保護団体に保護される)
こうした犬たちは、新しい飼い主を待っています。
2. 犬の里親になるメリットとデメリット
メリット
✅ 命を救うことができる
里親になることで、殺処分される可能性のある犬に新しい家族を提供できます。
✅ 成犬ならしつけが済んでいることが多い
成犬の保護犬は、トイレや基本的なしつけができていることがあり、育てやすいケースもあります。
✅ 犬種にこだわらなければ、費用が抑えられる
ペットショップで購入するよりも、譲渡費用のみで犬を迎えられるため、経済的負担が軽減されます。
デメリット
❌ 性格や過去のトラウマがある場合がある
虐待や放棄された犬は、人間に不信感を抱いていることもあります。
❌ 譲渡の条件が厳しいことがある
保護団体によっては、「単身者NG」「共働きNG」などの条件が設けられている場合があります。
❌ 健康管理が必要になることも
保護犬は、過去の環境によって健康面に問題がある場合があり、医療ケアが必要になることもあります。
3. 犬の里親になるための流れ
犬の里親になるには、以下の手順を踏むのが一般的です。
① 保護犬を探す
犬の里親を募集している場所には、次のような選択肢があります。
- 動物愛護センター(保健所):行政機関が運営する施設で、殺処分対象となる犬を保護
- 動物保護団体・NPO:民間の団体が運営し、里親を募集
- 里親募集サイト:個人や団体が里親を探すための掲示板
② 里親の条件を確認する
保護団体ごとに、里親になるための条件があります。
- 飼育環境(ペット可の住宅かどうか)
- 経済的な余裕があるか
- 家族全員の同意があるか
- 高齢者や単身者の場合、後見人がいるか
③ 面談・譲渡会に参加する
譲渡会に参加し、実際に犬と触れ合いながら、性格や相性を確認します。団体によっては、事前にアンケートや面談が行われます。
④ トライアル期間(お試し飼育)
多くの保護団体では、正式な譲渡の前に「トライアル期間」を設けています。犬を自宅に迎え入れ、実際に一緒に暮らしてみて問題がないかを確認します。
⑤ 正式譲渡の手続き
トライアル期間が無事終了すると、正式に譲渡契約を結び、犬が正式な家族の一員となります。
4. 里親として犬を迎える際の準備
① 生活環境を整える
- サークルや犬用ベッドを準備
- フードや食器、水飲み場の設置
- 犬が安全に過ごせるように危険なものを片付ける
② 健康管理を考える
- 迎え入れたらすぐに動物病院で健康診断
- ワクチン接種やフィラリア予防などを確認
- 必要に応じて去勢・避妊手術を行う
③ しつけの準備
- 保護犬は環境の変化にストレスを感じるため、最初は無理をさせない
- トイレの場所を決め、一貫したしつけを行う
- 信頼関係を築くために、焦らずに接する
5. 里親になった後に大切なこと
✅ じっくり愛犬と向き合う
保護犬は過去の経験によって、人間に不信感を持っていることがあります。すぐに懐かなくても焦らず、安心できる環境を整えてあげることが大切です。
✅ 定期的な健康チェックを行う
譲渡された犬は、過去に適切な医療ケアを受けていなかった可能性があるため、定期的な健康診断を受けましょう。
✅ SNSや口コミで里親制度を広める
犬の里親になることのメリットや経験を発信することで、さらに多くの犬が新しい家族を見つけるきっかけになります。
まとめ
犬の里親制度は、行き場のない犬たちに新しい家族を提供し、幸せな生活を送るための大切な仕組みです。里親になるには準備や条件がありますが、その分、愛犬との深い絆を築くことができます。
保護犬を迎えることは、新たな命を救い、素晴らしい出会いを生むことにつながります。ぜひ、里親という選択肢を考え、素敵な家族の一員として迎えてみてください。